アメリカでのゴンドラやリフトの値段

アメリカンフライヤー 世界で一番長い6人乗りバブルカバー付き高速リフト@カッパーマウンテン

日本でスキー場を経営運営している方々とお話ししていると、
一番 「エッ! それは大変だな〜」と感じること、、

それは?

日本でのリフトやゴンドラの建設費が結構 お高め。と言うこと。

昨シーズン、石打丸山にハイブリッド(日本ではコンビと呼んでいるのですね)の最新鋭のゴンドラ&リフトが出来た。
リゾートセンターと6人乗りのリフト+10人乗りゴンドラ 全部一緒の開発で、、
38億円。(こちらのプレスリリースを参考にさせていただきました)

(計算を簡単にするために)100円=$1として、
38ミリオンドル $38 million。

野沢温泉の長坂ゴンドラを新しくするにあたって30億円、$30 million。
(これらのお値段はこちらの記事を参考にさせていただきました)

なるほど、なるほど、、
はっきり言ってこれらのお値段が高いか?安いか?はさておき、

アメリカはコロラドに目を移して、、
最近やたらと元気の良いカッパーマウンテン
パウダーというアメリカで10のスキーリゾートを経営している会社がオーナー。昨18-19シーズンには2本のリフトを同時に架け替え、
もちろん2本とも11月までに出来る予定に間に合う事無く(アメリカ あるある)、
お客さんにブーブー言われながらもなんとか完成、そして動かして見たらアメリカお初採用の新型ギアボックス動かない、、安全センサー敏感すぎてすぐ止まる、、などなど、これまたお客さんから文句が出て、、
不都合が出たらその場その場で直していく、というアメリカ風の改善スタイルを1シーズン続けての今19-20シーズンは??
2本ともよく動いていてくれていてとても助かっております。

3本のリフトは、
アメリカンイーグルリフト
全長1,930m、獲得標高450m。
8人乗りゴンドラキャビンと6人乗りチェアのハイブリッド(コンビ)。
チェア4基のゴンドラキャビン1基の配分。

アメリカンフライヤー
6人乗り、フード付きの高速リフトとしては世界最長。
全長3,000m、獲得標高580m。

スリーベアー:
カッパーマウンテンの北向きバックボールに新築される3人乗りの固定式(高速ではない)リフト。
全長980m、獲得標高335m。

さぁ、この3つのリフト、まとめて おいくらでしょうか?

30億円。
$30million、前述したけど$1=100円計算で。
1基30億円ではなく、3基全部で30億円、、繰り返すけど。
アッ イーグルとフライヤーは古いリフトからの架け替え、その撤去作業代も込みで。

まぁ、全長3キロ以上ある新長坂ゴンドラとか、
10人乗りキャビン、それもチェア3基、ゴンドラキャビン1基のキャビン多い割合、リフトには暖房シート、それもフード付きのオプション満載のモデルカーのような石打丸山サンライズエキスプレスとか、
地震や台風などの厳しい自然に休みなく襲われる日本風土での設計建設とか、
タワー設置などに使われる重ヘリコプター使用料とか、
日本政府が定める安全基準のハードルの高さとか、、
単純に比べられるものではないのは重々承知しておりますが、、

これくらいのお値段がアメリカではスタンダード。
4人乗り高速リフトは大体7~9億円(長さとオプションによるけど、そして新規か架け替えか?でもお値段変わる)

ちなみにアメリカカナダ北米全体で今19-20年度シーズンは、
新規リフト40基、ゴンドラ2基の建設、、
ある意味索道建設ラッシュですな、、

そんな元気なアメリカのウィンターリゾートを片目で見ながらも、
オレが残念だと思うのは、、

80〜90年代の第二次スキーブームの時に何故 日本の川崎重工業とか、日立とかが索道機器を作らなかったのか?

新幹線を作る技術がある日本の工業界なら索道機器 とても良いモノを作ったと思うな。
そう、人身を巻き込んでしまうような事故も防ぎ、省パワーでありながらも高速でクルクル周り、乗り降りが楽で、快適な、乗っているだけで楽しくなるような索道機器を。
そして昨今の中国でのスキーリゾート建設ブーム、
現在で既に700のスキー場があって2022年にまではさらに200以上の建設予定があるそうで、、
そこに日本の索道工業界が食い込んでいたら良い商売が出来たかもしれないし?ね??

日本での索道の建設費やメンテナンスコストがもうちょっと安くなって、
スキー場を経営している人たちがリフトやゴンドラの架け替えにもう少し積極的になってくれたらいいなぁ〜、と思うのです。

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