海外からの山岳リゾートへの投資、、賛成?反対?

ビーバークリークのリッツカールトン51%はベイルリゾーツ、49%はリッツカールトン所有。

昨今のニセコに見られる高級ホテルやコンドミニアムの建設、
そして奥志賀にも新しいリゾート設備が建設予定と、、

オレはこの動きは?

好きではない。
なんかスッキリとしない、心から喜べない。

なんでだろう?

海外からの投資 お金で、素晴らしい施設 ハコを作ってくれるのは嬉しい、、
インバウンドのお客さんだけではなくて日本の方も使えるしね。
なんたっておニューの施設はキレイで豪華で気持ち良い。
でもその収益、儲けたお金は最終的にどこに行くのか?

当然 最初におカネを出した人たちに戻っていく、
それも最初の投資額だけではなくて儲けた分も、、
ほとんど全部 海外へと戻っていく。

ニセコとか奥志賀などの地元では、
建築に関わる工事関係による雇用増大、
建築後の従業員の雇用増大、
固定資産税増収、
そして地元経済への好影響など等、良い事もたくさん沢山ある、、
何もしないよりは、、全然良いかも知れない?

けど、ハコが出来てからお客さんが泊まって宿泊料を払って、、
そのほとんどの大きな儲けはみんな海外に持っていかれるのですよ。

ざっくりと言ってしまえば、
日本の素晴らしい自然をネタに、海外の投資家が儲ける。
アレッ?なんかおかしいな、、と思いませんか?

日本のウィンタースポーツ愛好者もキレイなハコで快適な滞在を楽しめる、
素晴らしい、、一見、、
でもそのお金は海外に出てしまって日本国内には還元されない、、

このドーム社長の安田氏のコラム(すごく面白いから是非よんでいただきたい)にもあった通り、
胴元になれていないので、支払ったお金は胴元(海外投資家)に流れていくだけ、、

自分たちで大切にしている日本の自然と雪で他人の商売を助けてあげている、
日本人「お人好し」、、

海外の投資グループ、開発グループはお金になるモノへの臭覚が鋭い、、
彼らの世界中に広げた情報アンテナは広いだけではなく性能もいい。
日本の雪はお金になるようだ、、
と鼻がヒクヒクすれば、すぐに実行。

そこで、、
オレだったらこ〜するよアクション。

海外からのデベロッパーが開発したい、とアプローチしてきたら、、

はい、大歓迎ですよ〜 ようこそ!
しかしうちらの町の特別な条例で海外からのお金で土地を買われるのなら購買価格の30%をトランスファー税(不動産流通税)を、それと消費税10%も、いただいているんですよ。(ちなみにアメリカのトランスファー税は州によって違うけど1~3%)

アッ 後 商売が上手く回らなくなって撤退するときにお造りになったハコの維持管理費、撤去費用としての補償金も建設前に預からせていただきますね〜。
ご計画なさっている施設の大きさなら年間の維持管理費は何億円、すべてを撤去するのには何億円、それに手数料も含めて、とりあえず10年間こちらの地方自治体に預けていただいて、10年後にまたそれら補償金の見直しね。

また上下水道の新設もあなたたちの責任で作って頂いて、、えっ 昔からの水道を使いたい?残念ながらあれは老朽化ひどくて、、新しくしないと結局オタクのお客さんに迷惑がかかってしまうから新しくしないと。

ホテルがスキー場の麓に出来るとクルマも増えるから街からスキー場までの道も広くてキレイな道を作って頂いて、その道の除雪作業費用もそちらで持って頂いて、、

クルマが増えれば駐車場も増やさなくていけないから、完全舗装した何々台の駐車場も整備して頂いて、アッその駐車場は別にホテル前でなくても良いんですよ、ホテル前に駐車場があると景観が悪くなるから、近くに我々が持っている土地をお貸ししますからそこを整備して頂いて、運営管理はウチでやります、そして駐車場代は街の収入とさせていただきます、

景観と言えば出来るだけ周りの雰囲気を崩さないスマートな外見でお願いします。こちらの美観委員会で納得が行くまでプランを練って頂くかも知れませんが、、あと、電線や電話線などのケーブル類は全て地中に埋めて頂きますね、その方がスッキリしてオタクのお客様にもその方が宜しいかと?

従業員スタッフは全体の80%は地元の方々を雇って下さいね、それも年間雇用で、最低賃金は時給1,500円以上。そしてスタッフ用の何なに名収容の宿舎もそちら持ちで作って頂きます、、

ホテルでお出しする食材は出来れば地元のモノを、80%くらいは維持して頂いて、いやなにここ周辺の食材は本当に美味しいからお客さんも喜んで頂くことは間違いない!

それでもご投資致しますか?こちらとしては大歓迎なのですが、、
と、投資にあたっての条件を交渉テーブルに載せる。

ずうずうしい?
いえいえ、アメリカではこれくらい当たり前な交渉条件なのです。
これくらいしたたかにやらないから、日本人 お人好しと思われる、甘く見られる。交渉相手は他の国々でこの程度の交渉を何百件とくぐり抜けて今までやって資産を大きくしてきている百戦錬磨の戦士たち、そしてやたらアタマいい。彼らにとって全部想定内。
逆に日本の山岳リゾートへの投資はこんなに簡単なの?と思われているかも?

普通ならこれだけの交渉条件をデベロッパー・投資グループと話し合いながら、お互いの落としどころを探っていく。

建設予定地は個人のものだから、自治体政府は関与できない?
それならば建て面積なになに坪以上の商用割当地が売買されるときには特別条例が適用される、という規則を作ってしまえばいい。
(とは言え、宿泊税ひとつ、それもたかだか2%をチャージするのを決議するまでに長〜い月日がかかる日本の行政のスピード感の無さ、、オレが住んでいるコロラドの街ならそんなの数ヶ月から半年で即決なのに、、提議、住民からの公聴会ヒヤリング、その後数ヶ月後の選挙で決める。しかしそのカメよりも遅い行動に長〜く忍耐強く付き合いやっとここまで事を進めたコンサル部隊にアドマイヤ〜admireなのです)

なんせルールを決めるのはこちら側、
地方自治体のOKが出ないことには建設が出来ない。(アメリカではね)
胴元になれる、オセロのコーナーを最初から持っている、少ないチャンスなのだから最大限にそのカードを使うべき。

徴収した不動産流通税を使って、
海外留学資金ファンドを作って地元中学高校生の留学の経済支援、
地元町市民への無料英語クラス開催、
ホテル経営陣と地元市民の懇談会、(なにはともあれヒト優先)
街とスキー場までのシャトルバスを運行したり、
街ですでに持っている土地の有効活用(日帰り客用の駐車場や観光案内所など)、
街全体をキレイにしてのクリーンアップ、(そしてハコ整備)
もちろん国内外へのマーケティング予算、、などなど。
ソフトとハードにバランスよく、将来のための種まきができる。

えっ?そんなに厳しい条件なの?
それじゃ投資なんかや〜めた。
そんな条件に投資する海外の投資グループなんていないよ!このまま寂れて 朽ち果てていけばいい!怒
と捨て言葉を吐いて海外投資家が交渉テーブルを立つ、、
その間に、、

日本のおカネでウィンターリゾートを再開発、再整備を進めて、
国内外の愛好者みんながストレスなく快適に雪の上でカラダを動かして楽しめて、
儲けたお金でまずはスタッフの給料を上げて、
古くなったリフトやゴンドラを掛け直して、
おトイレをキレイにする、そんなリゾートつくりが理想なのではないかな?

なに、日本の企業だけで全部やれ、、と言っているわけではなくて、
餅は餅屋。
日本企業や地方自治体がハコを造って(ハード)、
パークハイアットなり、リッツなりからライセンスを買い取って(ソフト)、
一緒に商売をすることでも最高だと思うな。
ルスツのウェスティン(ハコは加森観光所有、運営ソフトはウェスティン) や浦安ディズニーをイメージしていただけると分かりやすいかも。

でもここが大切なことなんだけど、、
80〜90年代に起こったことを繰り返してはいけないと思う。
スキー場で儲けたお金を再投資せずに、海外の投資物件や金融商品とか買ったり、ゴルフ場造ったり、都心部の駅前大規模開発や住宅地開発に使い、、
その儲けたおカネを他の投資先に使ってしまって、スキー場には戻ってこなかった、、

ア〜ァ、バブル前後のスキーブームのときに出ていた豊かな儲けの全てをスキー場をめぐる ヒトとハコ への再投資に回していれば、、
今頃日本のウィンターリゾートはもっといいものになっていたのに、、
その時から日本には素晴らしいヤマがあったのに。
(お時間があれば 山・人・箱 そしてアスペンをお読みください

余談になるけど、ベイルリゾーツの成功はスキー場で儲かったおカネをまたスキー場に再投資していること。
お客さんも投資家も(ベイルリゾーツは株式会社)みんなその企業姿勢をよく理解していて株価にもそれが反映されている、みんなの支持を得ている。

先週こんなニュースを見た。
せっかく日本政府もこのような積極的な動きが出てきたのだから、
日本のおカネで投資して、
その儲けが日本国民に還元される、
そんなリゾート開発、再開発または整備をしようとしている地方自治体への国政府の積極的な補助が加速すると面白いことになりそうだなぁ〜と。なんだかんだで日本で1番おカネを持っているのが日本政府・日銀だからな、お札を自分で印刷できるのはやはり強い、、

またごちゃごちゃと書いたけど、、
(怒らせてしまったらごめんなさい、、それに日本の行政ステップ知識「0」なので、逆に教えてください)
どこからおカネが山に入って来て、
山からどこに流れていくのか?
ということをちょっと立ち止まって考えてくれたら、、と思います。

ウチのおカネの流れ?
日本のウィンタースポーツ愛好者にアメリカやカナダの山岳リゾートをご紹介する商売なんだけど、、
なんせ利益をすくい取る網の目が荒すぎて、、
ザア〜ッと目の前を流れるおカネをボ〜ッと見ているだけ、、
流れはよく見えている、つもりなんですけどね、、😭

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“海外からの山岳リゾートへの投資、、賛成?反対?” への1件の返信

  1. 私、東京で20年いわゆるラグジュアリーホテルで働いています。
    小さいころからスキーをやっていて、しばらく休んでいたのですが、子供が生まれたのをきっかけにまた始めました。行くのはいつも白馬。なぜかというと私が初めてそこでスキーをして、居候なんかもしていてやっぱり馴染みがあるし、山もでかいので。夏山も登ったりします。
    そんなホテル業界目線で見ると、白馬の旅館、ホテルが行くたびにつぶれて、新しいもしくは居抜きで外国人が商売をする。
    これってどうなんですかね。何か一石投じることはできないかと思っています。自分にしかできない、でも海外のゲストも、日本のなじみのお客さんも満足させられるようなコンサル。できると思うんですよねー
    あとは、外国人が泊まる宿の日本人経営者が少なすぎますね。これもうまく地元の雇用を生みつつ、地元の飲食店にお金を落とす仕組み作れると思うんですよねー あ白馬に限っての話ですよ。土地勘ありますから。
    会社員気質なので、えいやと踏み出す勇気がないのですが、誰か一緒にやってくれないかなーと考えています。

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