アメリカ カナダスキー場昔ばなし 不動産開発はいいのか?わるいのか?

ウイスラー・ブラッコムのパウダーを攻める?メイ吉。

(日本昔ばなし 市原悦子さんと常田富士男のお声でどうぞ)
むかしむかし、でもない 2017年までカナダとアメリカ 北米でリゾート開発をやっておったイントラウエスト(爺さん)と言うスキーリゾート会社があったとさ。

はじめは1976年に始めた ち〜さな不動産開発をやっておった爺さん、空き地を買ってはそこに家やショッピングモールなどを作ってはそれを売って静かに暮らしておったと、、

ある日寂れたスキー場の麓にコンドミニアムを建てて売ってみたら、それがアッという間に大金でよく売れて、、
婆さんや お山には宝が埋まっているぞ。と、、

その寂れていたスキー場はブラックコムとよばれておったが、
お宝を独り占めしたい爺さんはブラックコムを1986年に買ったそうな。
お山にリフトをかけたり、滑れるコースを増やしたり、ホテルやレストランを作るためにお金が必要だった爺さんは周りの衆や金貸しからお金を集めるために株をうり、お金を集めた〜。

それからしばらくたって〜ブラックコムにもお客さんとお金が入るようになり、爺さんはもっと金貸しからお金を借りてはとなりのウィスラー(1996年)やコロラドのカッパーマウンテン(1997年買収)、カリフォルニアのマンモス(1996年)、はたまたは海を超えてフランスのレザルクというお山も買っていったそうな。

だけど〜スキーやスノーボードをしない爺さんはお山のほうには関心がなく、ふもとの村にホテルやコンドミニアムを建てては売るのに夢中になっておった。

ある日お金をたくさん借りていた銀行やさんから急に、お金を返してくれ、と言われたそうな。
銀行やさんは2007年にリーマンショックとやらで彼らもお金が一晩でフッ飛んでしまったんだ。
だけどお金はぜ〜んぶ使ってしまって手元には一銭もない爺さんは困って、フォートレス(金貸し)という投資会社に助けてもらったが爺さんと婆さんはそれまでのすべてをその金貸しに持って行かれた〜。

金貸しはその後、爺さんの借金を2010年までにきれいさっぱりに債権者に返したが、スキーを見たこともやったことのない金貸しはその間爺さんが持っていたスキー場にはまったく投資をしなかったんだと。
借金を返し終わったと思った2012年には北米にぜんぜん雪が降らず、ウィンターリゾートビジネスは金にならないと金貸しは思ったそうだ。

嫌気が差した金貸しは爺さんが持っていた全部のウィンターリゾートを塩と一緒に樽に入れて塩漬けにして暗〜い地下蔵にしまってしまっただ〜。

それから時が経って、、2017年のある日アメリカの金持ち(ヘンリークラウン&カンパニーとKSL)が爺さんを訪ねて、そこの蔵に入っている樽を全部1,650億円で売ってくれ、と頼んで金貸しは喜んでそれを売ったそうだ。

そのアメリカの金持ちは爺さんの持っていたスキー場をアルテラ マウンテン会社と新しく名前を付け直して、爺さんが持っていたスキー場とそのほかのスキー場を全部滑れるアイコンパスというものも売り出して、みんな仲良く暮らしているそうな、、めでたし、めでたし。

と、、相変わらず前振りが長いオレのブログ、、すみません。

オレが思うに爺さん-イントラウエストの失敗は

「山に投資しなかった、、」

の一言だと思う。

山に滑りに来てくれるスキーヤーやスノーボーダーの声を全く聞かずに「箱」だけに注力したイントラウエスト。
コンドミニアムやホテルなどの箱を作り、それを分譲。
一瞬儲かる、とても。
でも売った後に継続的に儲けを出すのは難しい。
コンドミニアムを売ったオーナーからの管理費または貸し出した時の利益、それもオーナーと折半のけっしてボコボコ儲かるビジネスモデルではない。

そうなると不動産開発会社であるイントラウエストは新たなる空き地を見つけては開発してそれを売って、、と、、。
良い空き地が無くなったら?それでおしまい、、

アジアのどこかの国で聞いたような話し、だと思いませんか?

お山はお金になる、と山にリフトを3、4本かけて、
1番大切にしなくてはいけないスキーヤー&スノーボーダーの声を全く聞かず滑りやすい山にしていこうとするまえに、
お金を手っ取り早く作れる不動産開発ガンガン。
儲かるもうかる!だけど一瞬だけ。
儲けたお金で海外のリゾート買ったり、都市圏の開発に当てたり、訳のわからん投資商品を買ったり、、スキー場に再投資することなく、、

なんてことない北米でも、アジアのある国でも、同じことが起きていて、、

でもそれらを横目で見ていて、ハッと気がつく人もいる。

それはベイルリゾーツ
かれらも当然、不動産開発頑張った時期があった。
しかし一生懸命にやって、一時的に儲けてもそれが続かない、儲けが持続継続しない。

でもベイルリゾーツが爺さんや金貸しと違っていたのは、かれらはウィンタースポーツが大好き、だったということ。

スキー場に来てくれる人たちが本当に求めているもの。
それは綺麗なホテルやコンドミニアムではなく、雪面のクオリティー 質、なのではないか?
スキーやスノーボードで滑り始めたその一瞬で足裏から伝わってくる、その雪質。
ユーザーが感じるその一瞬、が彼らが売るべき商品そのもの、なのではないか?

それに気づいたベイルリゾーツ

それからは積極的にユーザーの視点に立って、老朽化した遅いリフトは高速リフトやゴンドラに変え、ユーザーが一息入れられる山のレストランやトイレなどを快適に使ってもらえるようにきれいに改築したり、自然雪が少ない時にでも滑れるコースを増やすために人工雪設備を増設したり、、
数多くあるスキー場のなかでわざわざベイルやブリッケンリッジ、キーストーンを選んで来場してくれたゲストに、
ストレスを感じさせず、アァ今日は楽しかった また次が楽しみ!
と思ってもらうだけのために様々な努力をしています。
(これからこのブログでその努力を紹介していきますね)

麓のホテルやコンドミニアムの「箱」はあくまでもクオリティーが高い雪面を補足、エンハンスするだけのもの。
箱の前に大切なのは山と雪。
山と雪 あってこその箱 だと思います。

爺さんや金貸しが考えもしなかった、ベイルリゾーツが雪面の質を大切にするアプローチ。
シーズンに入る前にエピックパス97万枚売り上げ、、
そのことひとつだけでもそのアプローチがユーザーに受け入られている、のではないでしょうか?

最後に、、
1986年に渡米してからアメリカ・カナダのスキーリゾートの動向を見ていたオレが言いたいのは、

山への投資改善なしで周辺施設「箱」を作っても、それはリゾート全体のグレードアップ 改善とはならず、お客さんは帰ってきてはくれない。
山に出てくれるお客さんの雪上満足度を高めないと山岳ウィンターリゾートは伸びていかない、あくまでも。
山 ありき、だと思う。

雪は良かったよ〜 by メイ吉。
ウイスラー・ブラッコムのピーク to ピークゴンドラ。イントラウエスト 頑張りました。でもその前にもうちょっと山を見てくれていたら、、残念です。
山ありき、、

ベイルリゾーツ、ご興味ある方はぜひスキーアメリカのホームページご覧くださいね。

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