衝突防止ネット B-Net

オレが日本のいろんなスキー場でのアルペンスキーのトレーニングの様子をビデオとか写真で見たときに厳しい表情になるとき、、

それは、、

アァ こんなこと言いたくないんだけど、、日本に住んでいないし、100%よそ者だし、部外者もいいところ、、なのですが、もう歳も歳なので言いたいことこのブログで言いますね。

それは、Bネット 衝突防止ネット が全く張られていないコースでトレーニングしているのを見た時。

あのね、選手たち、コーチたち、スキー場経営者たち、そして保護者の皆さん、スキートレーニング中にコントロールを失って林に突っ込めば、時速20〜50キロで木に激突すれば選手 死にますよ。

なんせ選手達はヘルメットひとつだけであとは生身、、そこにはクルマに搭載されているエアーバックも自動ブレーキもない、、

常にフルアタックで1本1本滑る選手たち、ほんとに小さなちいさなミス一つでバランスを崩してコントロールを失うのは良くあること。
それは強い選手、弱い選手、全く関係ないのです。

レースは死んでまでやることの価値があるものか?
と思うのはオレだけでは無い、と願いたい。
せめて起こりうるリスクに事前に対処しておくべきではないのか??

残念ながらもう過去に大会中やトレーニング中に死亡事故が数件起きてしまっていますが、、そしてそこから何かしらの改善策は?

これは周りの大人たちのリスクマネジメントと想像力の欠如、のなにものでもない。
これではいつまでたっても日本は「スキー後進国」のまま。だと思うのです。

それではどこの誰が、Bネットを買って、それをコース上に張って、雪が降る度にそれを掘り起こして(これが1番大変)、トレーニングが終われば丸めて撤収して、シーズンオフ時の保管管理、するのか?

その費用は誰が負担するのか?

カッパーマウンテンのカッパオポリスという標高差250mのコースの両脇にBネットを張るだけでもスタッフ6名で5時間前後かかります。

時給2,000円×6スタッフ×5時間で6万円。

Bネット1枚20m、1枚400ドル、それが100ネット必要だから、400万円。

コース1本で400万円以上かかる、それも設定だけで。そのあとの雪掘りなどのメンテナンスを考えると、、そりゃ引くよな、スキー場やっている人たちはこの金額みたら、、

でも、スキー場経営者のみなさん考えて見て下さい。
400万円の初期投資、それをレーストレーニングコース利用者シーズン2,000人として、レーサー一人一人から一回500円使用料としていただいたら?
1シーズン100万円になる、それなら(単純計算で)4年で回収できる、と思うのです。

それでは地元スキークラブがネット買って、それを張る?
それもキビシイ、、と思う。だって親御さんに防御ネット買うから400万円とは言わないけど危ないところだけ200万円の負担をお願いする、、20名のクラブ員がいたら一人当たり10万円の負担? その10万円で新しいマテリアル買えるし、、それは無理っしょ〜。

全日本スキー連盟とか地方スキー連盟から予算を引っ張ってくるとか、地方スキー連盟が持っている(知らないけど)ネットをお借りするとか、スポーツ振興のための日本政府が用意している予算を使うとか、スキーレースをやっているお子さんを熱心にサポートしている親御さん、または会社などに寄付をお願いするなどなど、なにか知恵を絞らないとかわいい選手たちが危ない。

繰り返しますが、大事故が起きてから考えてももう遅いのです。

オレも良子ちゃんも人の親。

防御ネット1枚も張っていないコースでのトレーニングに一人娘 11才のメイ吉を送るか? 答えは No.
「トレーニング中にメイ吉が木にぶつかってしまって、、」という電話を面倒を見てもらっている、普段から絶大に信頼しているコーチからもらいたくないから。
そんなの誰もハッピーにしない、、

Bネット、ほんとに効果あるの??
一見は百聞に如かず、、こちらのビデオをご覧ください。

幸い、この高校生は怪我ひとつもなくこの日にトレーニングを続けることが出来ました。ビデオを撮っていた方とその横にいたオレが「ヤバイ!」と叫んだのを今でも覚えています。

このビデオを見ても、
「うちらはネット張らないけど、トレーニングは自己責任でどうぞ〜。」
と言っている大人がいるうちは日本は確実にスキー「後進国」。
その低いメンタリティーがあるうちは世界で戦える選手をコンスタントに育てあげられるわけがない。

アァ オレがお金持ちだったらな〜、、
日本の各クラブにBネット寄付できるのに、、貧乏でごめんなさい。

新品のBネット届いています。これで40ロール 200万円。でも丁寧に使えば10シーズンは使えます。
晴れても降ってもBネットは手間がかかります。カッパーマウンテンのレース部のスタッフ毎日ご苦労様です。
ヤバイところには2重でカバー。
Visited 1 times, 1 visit(s) today

“衝突防止ネット B-Net” への8件の返信

    1. ブログ見ていただいてありがとうございます。

  1. 本当にそう思います。
    事が起きてからでは遅い。
    提言ありがとうございます。

  2. 私は単なるスキー⛷大好きな者ですが、「安全確保無くしてスキーの発展は考えられない‼️」というご意見に全面的に賛成です。かつて世界の中でもこれだけスキー愛好者がいた国はありません。ウエアー業界も世界一だったと思います。岡部哲也選手以来トップで活躍できる選手が何人も育っていない❗️のは、国家として育成のための費用を惜しんでいるからに他ならない❗️と思います。

    1. コメントありがとうございます。これだけ一生懸命にアルペンスキーをやっている選手がいるのに、世界で戦える実力を持っている選手は??寂しいですよね。

  3. はじめまして、東京の新御徒町「クレオール」というフライショップの清水一郎と申します。コロラドは、古くからの友人でもあるアラスカ・プロガイドふたりの故郷で、よく彼らとの「トラッシュ・トーク」な昔話でも、聞く処でもあり、実は、私も東京生まれながら、幼い頃から長野など地元のアルペン・ジュニアティームでトレーニングしていたり、弟が高校生の頃から10年ほどフランスのシャモニーで育っていたり、妹などもアルペンの選手で欧州や南半球へもよく出かけていましたので、このブログ記事をシェアさせて頂きました。

コメントは受け付けていません。