全日本スキー連盟チームとアメリカスキーチームの活動費の違い

↑↑先週末アメリカ コロラド州にあるカッパーマウンテンで行われたデューツアー (ワールドカップではない招待制の世界大会イベント)で優勝した戸塚選手とデューツアーの前に行われたスノーボード ハーフパイプ ワールドカップで優勝した平野流佳選手)↑↑

今シーズンのウィンタースポーツ ワールドカップも北米そしてヨーロッパと回り始め、各競技チームから素晴らしい成績が飛び込んでくるようになって、、

そこでアメリカのスキー・スノーボード (以下 USS)と全日本スキー連盟 (SAJ)のお金の事 ちょっと気になって調べてみたんだけど、、

マァ 単純比較で、、それと金額は全て「約」ですが、、

SAJ 年間予算 13.5億円。 (2021-22年度)

USS 年間予算 37億円。(2021年度)

USS 予算の80% 35億円が選手のサポートに。
そのうちエリートチーム、Aチームですな、の活動費に約20億円、地域活動費 約6億円、、と。

SAJの方はおそらく?経常費用の事業費13億7千万円が全体の活動費となると思うのだけど、USSのようにトップチームにいくら、地域活動にいくら、、という区別がされていないので収支予算書を見ても全く分からず、、
内部会計事情に詳しい方、どうぞ教えて下さい!

経常費用の事業費13億7千万円が全体の活動費と想定した上で、各種目チームにかける予算を全体の80%と考えると、、

約11億円。

35億円を選手のサポートに当てているUSSの1/3ですな、、

そしてその予算をアルペン、ノルディック、モーグル、フリースタイルそしてスノーボード等など、、
男子と女子にも振り分けなければならないし、
トップチームのみならずジュニアチームや育成チームにも、
国内大会などの大会サポートにも予算が必要で、、

ましては日本のスキー連盟は競技部の他に教育部や、はたまたパトロール関連も管轄しているのでそちらにも活動のための予算が必要だし、、
11億円というとても大きいとは言えないパイをもうみんなで薄〜く うす〜く切り分けて頂いている状態とも言える。

さて、オレはモロ部外者なので活動費をどの種目チームにどのように分配しているか?は全く分からない、、(SAJは、財務の健全性確保に関する計画を策定し公表すること、と謳っているけどここら辺は公表していない?)

さて、オレの好きな種目アルペンスキー。
現在大活躍中のスノーボード ハーフパイプやジャンプ、モーグルチームに比べて成績が出ていない、、

1ファンとしてアルペンスキーチームに是非強くなってもらいたい!アルペンスキー種目全てのトップ30番までに常に3〜5人入っているような層が厚いチーム、が理想だなぁ。

そこでオレなりにエリートSチームからA、Bチーム、ジュニア育成と国内での強化費も合わせ、日本よりも全然高い欧米の物価も考慮して年間予算を考えてみると、、

1年に最低4億円はかけないと他のナショナルチームと比較してもまともな活動はとてもキビシイ、、という結果に。この4億円、あくまでもアルペンスキーだけのための年間予算。

逆に4億円の予算があれば4〜8年で世界ランキング30位以内に常に2〜3選手がいるアルペンスキーチームが出来る、とも思う。

1年間で4億円、、
時給3,000円でアメリカでスキーを教えているオレにとっては想像も出来ない金額だけど、、ナショナルチームと言う国家を代表するスポーツチームとしてみればそんなに高い金額では無い、と思うな。プロ野球チーム(年俸だけでも20〜60億円、その他交通費等の経費)や、はたまたF1(年間160億円までと言う予算制限があるのもスゴいけど)みたいなモータースポーツに比べれば比較にならないくらいの超低予算で活動出来るスポーツチームだとも言えるのではないか?

柔道で選手活動費に13.5億円(全予算約12億円 全日本柔道連盟の収支予算書から)

水泳も選手サポート22億円(全予算約21億円 全日本水泳連盟の収支予算書から)

柔道も水泳も東京オリンピックで大活躍した種目。
これだけ選手の活動費、育成費のお金をかけることが出来れば世界の舞台でしっかりと戦える、という基準にもなる。

SAJ 事業費13億7千万円。
一見、柔道とほぼ同じほどの事業収益があるのだけど、スキー連盟はその名の下に12もの競技種目(プラス教育部もパトロールも)があって、競技スケジュールなどが別なのでそれぞれ男女の別チームで行動しなくてはならないし、、そして雪があってのスポーツなのでどうしても雪を求めて世界中を移動しなければならない、、トレーニングひとつするだけでも海外への渡航費と滞在費もズッシリと、、柔道や水泳は海外に出なくては行けないのは国際試合の時だけ、、
これははっきり言ってとてもキビシイ予算額と言わざるを得ないな、、

スイスの連盟スイススキーは年間予算を以前の26億スイスフランから60億スイスフラン(約74億円)に大幅に拡大して強いスイスを作ろうとしているし(そして今シーズンのワールドカップでの活躍ぶりにもそれがすでに反映されている)、
オーストリアの連盟予算は分からなかったけど(ドイツ語読めず、)おそらく50〜60億円?
知っている方どうぞ教えてください。

それにしてもSAJナショナルチーム、
先々週のフィンランドでのモーグル 、
ノルウェーでのノルディック複合、
アメリカコロラドでのスノーボードハーフパイプとスノーボードビックエア、
ドイツでのジャンプ、
ロシアでのアルペンスノーボード、
どの種目チームも十分な予算が無い中でしっかりとした成績を残しているのは本当に素晴らしい!と思います。

どれだけ全日本チームが低予算の中、世界各国を周りながら、いろんな種目で成績も残して頑張っているか!
(失礼な言い方になるけど)なんと費用対効果が高いチームなのだ!と浮き彫りになりますよね。

スキーやスノーボードのウィンタースポーツ1ファンとしてこれからの日本チームの活躍を応援していきたい!と思います!

そして選手サポートのためにもっと多くの活動費を!と願うばかりです。

アァ オレがスンゴイ金持ちで1000億円のファンドを低リスクで回して年3%のリターン、30億円をアルペンスキーチームのみならずそれぞれの種目チーム全てに使ってもらったらな〜、、なんて夢見ながら今日もアメリカの初心者方にボーゲンを教えているのです。

アメリカチーム USS の年間収支リポートはこちら

全日本スキー連盟の収支予算書はこちら

最後にスキー連盟と言う名称、もういい加減に「スキー スノーボード連盟」とか「スノースポーツ連盟」とかに変えた方が良いんじゃないの? ネェ?

日本のウィンターリゾートの皆さん ご準備ください!エピックパスとアイコンパス。

雪が降った翌日の土曜日のベイル。9:30には有料立体駐車場が満車になりお昼前のミッドベイルはこの賑わい。おそらくこの日だけで1万人以上の来場。

今2021~22シーズンのエピックパス販売数が発表されました。

その数 2,100,000枚、、

読み違えではありません、210万枚。

昨シーズンの販売数の79%増し、、
スンゲ〜な、、とただ途方に暮れるような数で、、

コロナ渦 屋内でジッとしていたのでその反動とか(その割にはまだコロナバンバン猛威を放っていた昨シーズンにも思い切りウィンターリゾートにお客さん来ていましたが)、
今シーズンは各エピックパス(日券も含めていろんなエピックパスの種類があります)の料金を20%下げてお買い求めやすくしたとか、

いろいろな要因がありますが、根底には今回のコロナの影響でアメリカ国民多くが野外でカラダを動かすアクティビティに以前より目を向けている、、と言う事に尽きる、と思うな。

この夏も今までより川に出る釣り人や、ハイキングを楽しむハイカーも、ズ〜ンと増えた。
オレの釣りのお客さんの一人がマウンテンバイクのメーカー社長なんだけど2022年モデルだけではなくてその次の2023年モデルも既に売り切れ状態、、なんだと。

話し ウィンターに戻してのエピックパス。

エピックパスには白馬バレーとルスツを5日間スキーづつ、計10日間日本で使える、と言うボーナス特典も付いている。

昨シーズンのアメリカのリゾートは例年より雪が降らなくて、そして今シーズンも(アラスカを除いては)まだしっかりとした降雪は無い、、

これはパウダー命のアメリカ人スキーヤー・スノーボーダーにとってはツラい、、とても。

そんな中SNSでいろいろと流れてくる日本でのパウダーショットやビデオ、、

もうアメリカ人みんなは日本にさえ行けば腰までのパウダーが毎日降っている、、と思いこんでいる雰囲気がパンパン感じられる、ほど。

イヤイヤ 確かに降るときはしっかりと降るけど毎日でもないんだよ、、
降ってもすぐに溶けてしまうときもあるし、強風でリフト動かせない日もあるし、、
と彼らの期待値をちょっと下げ方向に誘導するんだけども、、
もうこちらアメリカ側はニホンのパウダーしか夢見ていなく、、

コロナがはじまる前のお話し、、

エピックパスやアイコンパスの特典を使って日本まで滑りに行ったアメリカ人とお話しすると、、
「残念ながらパウダーは1日か2日しか当たらなかったけど、それでもまだ必ずニホンに行くよ!」
とそれはそれはみんな目をキラキラさせて良子ちゃんやオレに話してくれていた。

マァ基本的ポジティブなアメリカ人、
たとえお目当てのパウダーを存分に楽しめなかったとしても日本へのスキー・スノーボード旅行が楽しかったようで、、

パウダーがなくても、食べるもの全部美味しくて、温泉の良さにも開眼して、日本国に張り巡らしたインフラの充実度、ゴミが少なくてきれいにしている、接する日本人の優しさ、物価がアメリカと比べて安いのですべてにお得感を感じる等など、アメリカには無いニホン特有の雰囲気と文化にハマって 「また必ずニホンへ!」の発言になるようで。

そこで今シーズン210万枚売れたエピックパス。
(210万枚の全てにニホン特典が付いているわけでは無いのですがその数を割り引いても)
相当数のアメリカ人そしてオーストラリア人パスホルダーがコロナ鎖国を解禁した際に日本を訪れることは間違いない。

オマケにエピックパスの対抗馬でもあるアイコンパス。
アイコンパスはオーナーがそれぞれ違うリゾートが集合して運営しているので正確な販売数は公表しないのですが、やはり相当な数のアイコンパスが売れている。
オレがザッと予想するにその数 約120万枚。
もちろんアイコンパスもニセコユナイテッドで5日間使える特典付き。

エピックとアイコン、合わせて330万枚。

そのパスホルダーの1%が日本に行く、と考えても?
約33,000人のアメリカ人が日本に行く、事となり、、
33,000人がそれぞれ最低5日間滑ったとしても累計165,000人の入場者を見込むわけで、、

アメリカ人お一人様が日本まで滑りに来るとなれば約145億円相当の経済効果も見込める。(33,000人 × 4,000ドル と安めに見積もっても)

以上のお話しはあくまでもアメリカのエピックやアイコンパスを持っているアメリカ人だけに限ったことで、プラス中国、台湾、シンガポールなどのアジア各国から、そしてノルウェーやスェーデンの北欧のウィンタースポーツ愛好者たち、も加わると??

マジですごいことになる、なと先週土曜日のベイルの混雑を見て改めてそう思ったのです。


エピックパスのサイト 日本語 英語
アイコンパスのサイト 日本語 英語

オミクロン株 @コロラド州

オミクロン変異株関連の米国コロラドでの状況をお知らせいたします。

アメリカ入国に関しての米国政府の公式な発表としては、早くて来週からアメリカ到着前の新型コロナ検査を出発の24時間以内に短縮することと、すでにアフリカ南部諸国からの入国禁止措置が実施されていることです。

アメリカ到着後の隔離については、米国政府の発表はありませんので、現時点では不要のままです。

アメリカの専門家からは、海外渡航者の隔離をするよりも、アメリカ国民のワクチン接種をすすめるべき、という意見があり、18才以上へのワクチン3回目の接種奨励のニュースを耳にする機会が増えました。

ワクチン接種の促進に加え、アメリカ国内では公共交通機関でのマスク義務とワクチン非接種従業員の毎週の検査義務が発効し、自宅でのコロナ検査も無料でできることになりました。

スキー場では新変異株のニュースが出てからも営業は変わらず、また今後の予定には一切変更は出ておりません。

カッパーマウンテンではハーフパイプの造成も進行中で、来週からのワールドカップ、DewTourに向けて準備が進んでいます。日本のナショナルチームもカッパーマウンテン入りし、雪上練習が始まっています。

現地の学校、商店、空港からのシャトルバス便にも何も変更は出ておりません。

正直なところ、スキー場や現地での実際の生活については変異株報道後も何一つ変わっていない、というのが現状です。

こちらでは変異株についての話題は限定的で、年末年始に売り切れとなっているスキー場のホテルやコンドミニアムがキャンセルになっているようなこともありません。

なお、本日12月2日にコロラド州でもオミクロン株の感染が確認されました。12月3日に厚生労働省より、コロラド州からの帰国時は、3日間の政府指定ホテル待機、その後11日間の自宅待機要請となりました。

オミクロン変異株の重症化や死亡が現行のワクチンでどれだけ防げるかのデータが出るまでのこれから2週間程度は、はっきりしないことが多く、特にこれから渡航を予定されている方はご心配もあるとと思います。

ご質問やご不明な点がございましたら、お気軽にスキーアメリカ大森までご連絡ください。