ディズニーに出来て、なぜスキー場が?

お決まりショット

先日東京浦安ディズニーに関する記事を見て、フト思ったこと。

それは、、

同じ日本国内なのに、なぜディズニーに出来て、スキー場に出来なかったのだろう?
と言うこと。

何が出来なかったか?

将来の需要を見越した継続的な再投資。

ディズニー 1980年に作り始め、1983年に開園。その後1ヶ月後に累積入場者数100万人超え、、
100万人超えって簡単に言うけど、これはすごい数で、、
ベイルだって11月後半から4月後半までの5ヶ月間、1シーズン来場者数164万人、、それをたったのオープン1カ月後に、、
日本の例で言うと、昨シーズンの白馬バレー全体の来場者数が160万人前後と比較すると、、やっぱり凄い。

それ以降、ディズニーシーを増設したり園内のアトラクションを時代に合わせて再構成したり、、2018年の年間累積入場者数3,255万人。
昨2018−19シーズンのアメリカとカナダ北米全体のスキー場入場者数 5,900万人

あの決して広大とは言えないランド+シーの敷地に北米全体ウィンターリゾート来場者の半分を詰め込む、そのオペレーション力には感嘆させられますな。
またはランドとシーを訪れる2倍の人数を冬の4~5カ月で受け入れる北米各スキー場も偉い、と言うべきかな?

日本のスキー業界のピークは1998年(バブル崩壊を1992年とすると、、崩壊した後6年間もスキー場にお客さんが入っていたことに注目、景気後退とウィンタースポーツ離れはあまり関係性がない?)推定1,860万人。その時苗場には380万人入っていた、、
すんげ〜な、、白馬バレー全体に入っている数の2倍が1スキー場に入っていた、、のだから。

その現象は苗場だけではなく、日本全国の各スキー場にも同じように多くのお客さんが入った。
多くのお客さん=お金が入る。
そのころ夕方になるとリフト券売り上げ現金(この時代まだクレジットカードやプリペイカード誰も使っていない)を長靴で一斗缶に踏みつけてそれを銀行屋さんが取りに来ていた。一斗缶がいくつあるかで大体の売り上げがわかったほど。

ここからが今回のトピック。

さて、その儲けたお金はどこに行ってしまったのか??

どうぞ誰か教えてください、、

ディズニーも儲けた、しっかりと、、
そしてその儲けた一部を再投資してリピーター確保に尽力した、いや 今でもその努力を続けている。

日本のスキー場は?
再投資したのかな?
遠くからわざわざ足を運んでくれる、それもいくつものスキー場がある中でこのスキー場!と選んでくれたお客さんが今回とても楽しかったからまた次回も行こう!と言ってくれるようなサービスと商品を提供するための投資をしてきたか?

「我がスキー場は来てくれたお客さんがストレスを感じることなく楽しんで頂くために継続的に毎年投資をして改善しています。」

と、胸を張って言えるスキー場は、日本にいくつあるのか?

ウィンタースポーツ愛好者数がピークを迎えた1993年に日本のみならず世界全体のスキーリゾートビジネス、各国のゲストの動き、気象問題などを経済、またはレジャートレンドも含めて10年後、20年後、30年後を見越した経営戦略を立てたスキー場経営陣、経営者はいたのでしょうか?

過去のことを今更言っても、何も変わらない。
しかし日本国内に同じレジャー産業であって1983年にオープンしたディズニーが着実に来場者数と収益を伸ばしている。
1日7,400円の入場料を払ってでも年間3,255万人が来てくれる揺るぎない事実。
それも同じ日本国内で、、
日本のスキー場はお客さんが減ってしまっている、その事について何も言い訳できない。と思う。

80年後半から90年代にかけて起きたスキーブーム。
それこそ日本国民がみんなスキー場に行ったんじゃないの?と思えるほどの勢いがあった、、勢いがあり過ぎて、スキー場は何もしなくてもお客さんが次から次と大挙してやってくる。

だけど、、
ブームは怖い、、

ブームが独り歩きを始めると業界全体が思考能力を止め、ただただ売るだけに専念してしまう。何をやってもモノ・サービスが飛ぶように売れる。

そこに知恵は必要ないし、産まれない、

そしてブームは必ず終わりを迎える。
ブームで産まれきしものはブーム終焉ともに葬られる。
ブーム終焉時、そんな時に知恵を使え と急に言われても、、
アタマ回らず、1番安易な挽回手段、、値下げに走る。

隣のスキー場が値下げしたからウチらも、、
と、そのあとは熾烈な値下げ競争で業界全体が消耗し、みんな同じように行き倒れ、、

その時には既に遅し、、
現状維持で精一杯 もう投資するお金もない、、
そして数年後 ジ エンド。

しかし、
90年中頃から今までお客さんが減り続け消耗していった国内スキー場も昨今のインバウンドゲストも増え、昔から雪大好きなコアな日本人ゲスト(この方々こそ 大切に接しなくてはいけない本当のお客様)のおかげで賑わいも戻り、中にはV字回復をしはじめたスキーリゾートも出てきました。パチパチ!

彼らはこのまま何もしなければお客さんが減るだけだ、、
今更 大規模な設備投資は全くムリだし、、
しかし大金をかけなくても出来ることからコツコツやっていこう!
ここは都会には無い、我々の愛す自然と山々に囲まれた素晴らしい場所だから、と40歳代、50歳代の自分たちの山がドン底に落ちていくのを見てきた年齢層が中心となって再生回復を試みている、知恵を出している。

そしてその結果が出てきている。

それは素晴らしい事。だと思います。

このブログをいつも読んでくださっている方々。
どうぞ今シーズンもスキー場に足を運んで、雪の上に立ってみてください。
その際に「こんなふうに変えてくれたら、もっとスキー場が良くなるんじゃないか?」
「このスキー場のこんな点が不満足」とか、
「こんなところは素晴らしい!」とかのご意見をどんどん各スキー場支配人宛に送っていただきたい。

そのリクエストに対して、出来るものはすぐやる、残念ながら出来ないものは今出来ないけどご意見はいただきます、と真摯に一人ひとり対応するスキー場はこれからもお客さんの支持を得ると思います。
逆に?お客さんからの金言をいただきながらもなんの反応もないところは?
そんなスキーリゾート サッサッと潰れた方がいい。
あくまでもお客様あってのレジャー産業なのだから。

でも「もっと安くしろ〜」「割引券をもっと出せ〜」という安く もっと安く!というのはよろしくない。
安売りは一時的にユーザーにとってお得かもしれない、、
でも長い目でみるとユーザーはなんてことない自分の首を絞めているだけ、のことに気づいていただきたい。
逆に「こんなサービスがあったらそれに対してプラス1,000円出すのにな、、」とかのあなたからのご提案がスキー場側から見ると一番嬉しい金言となる、ことをちょっとでも覚えていただいたら嬉しいなと思います。

1984年 髪の毛がまだあった時代のオレ。野沢温泉SAJスキースクール イントラ時代。野沢のスクールでとても良い経験をさせていただいての今のオレがいる、のです。ありがとうございました。お隣のお方は野沢日影ゲレンデ前のタンネンホッフのおかみさん。
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“ディズニーに出来て、なぜスキー場が?” への10件の返信

  1. 全くその通り!安けりゃいいってもんじゃないです。クォリティーの問題です。それが良ければまた行きたくなりますから

    1. コメントありがとうございました!
      良いものにはやはりそれなりのお値段がつきますよね〜!

  2. お久ぶりです。覚えてないと無いと思いますが、何年も前にお伺いた
    矢野と申します。年を取りまして、スキーは10年ほど前に辞めましたが、最近は歩くのが困難な状況ですが、最近ベールを思い出してまして、行ってみたいと思っていますが、雪景色を見たいと思っていますが如何でしょうか?迷惑はかけないつもりで参りますが、前回のように空港まで迎えに来てくれますか?。もう何年も前の話ですが、ベールの町で買ったセーターを家内はたまに着ています。懐かしく思っています。

    1. 矢野様
      コメントありがとうございました。
      いつでもベイルにいらっしゃってください。雪を見るだけでも気持ちいいですし、今はゴンドラで山にだけあがることも可能ですので。
      ご興味あれば、どうぞ skiamerica@mac.com までメールをくださいませ。

  3. 私は50年以上の長きにわたってのスキー愛好家です。とは言え丁度1998年頃に止めてしまって、最近死に損ないの病後にスキーを再開しました浦島太郎です。
    だからバブル時代と今が純粋に比較でき驚く事ばかりです。
    かってスキー場には経営の感覚が皆無でした。殆どなすがまま。潰れた宿など見ると涙がでます。
    とは言え多少は萌芽が出てきているようです。頑張って、外国資本に買い占められるような事態はないようにしてもらいたいですね。

    1. コメントありがとうございます。また雪の上に立つことができて本当に良かったですね!
      日本のスキー場は新しいページをめくったばかりだと思います。

  4. はじめまして。
    自分はレストランが高くて不味いのが一番ダメですね。吉野家の牛丼大盛りを1000円で食べる方がまだ良い。
    彼らは本当に自分が食べたいものを提供しているのか疑問です。

    1. コメントありがとうございました。ディズニーの食事ですか?レストランはまだ大丈夫ですがたしかにセルフサービス系は、、美味しくないですよね。

  5. 日本の電化製品が「付加機能」「便利機能」を追加して、値段を吊り上げていった結果、世界の覇権は「基本機能」が変わらない安い中国と韓国の企業に取って代わられました。
    例えばテレビの世界シェアは2011年までは日本が1位を占めていましたが、今や、韓国と中国の企業が市場の7割近くを占めています。

    「こんなサービスがあったらそれに対してプラス1,000円出すのにな、、」という言い方だと
    値段を吊り上げるための電化製品の付加機能・便利機能となんら変わらないと思います。
    その恩恵にあたれる一部のユーザーにはうけるでしょうがね。

    本当に大切なのは、スキー場の「基本機能」です。

    ・コース整備(最低限の安全確保)
    ・リフトの安定営業
    ・清潔衛生面がしっかりしたレストランなどの施設

    真のユーザーはスキー場がこの三点を本当の意味でにしっかりやってくれているか、そこを見ているのです。

    ブームが去った今、新規で雪山に来てくれた若者をリピーターになってもらうためにも、付加機能による安易な値上げに走らず、お金が少ない若者でも雪山に行きやすい環境を作ることのほうが大切だと思います。

    それでは経営がなりたたないというなら、その人は将来を見る目がないという点で経営者失格です。

    1. 全く同感です、素晴らしいコメントありがとうございました!

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